活火山 太三(Katsukazan Taizo)
ニューヨーク・ジャズ体験記


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2015年11月11日
本場ジャズバンド演奏に和太鼓で参戦する試みをするため、明日から一週間渡米します。
主にジャムセッションに参加しようと考えていますが、出演バンドの演奏に飛び入り可能なところがあれば、頼み込んでみるつもりです。
飛行機の受託荷物の無料で預けることができるサイズに収まるようにするため、持参する1尺1寸宮太鼓の梱包に苦心した末、写真の状態で持って行くことにしました。あと少し、ケースの中の緩衝材を増やそうと思います。
ハードケースやファイバーケースを業者へ注文することも考えましたが、予算に余裕がなくて注文できませんでした。
何はともあれ、結果がどうなろうが、本場ジャズバンド演奏に和太鼓でジョイントする試みをできることが俺は楽しみダナ!!


2015年11月12日
チャージ中!成田空港待合室にて。
アイフォーンの充電が終わったら、ようやく一息つけそうです。
きょうの朝、新しいパスポートを受領して、米国渡航にかかわるESTA申請・認証(ちょっと手間取って焦ったゾウ!)を済ませ、先ほど搭乗待合室に入りました。
預け入れ荷物は、結局、太鼓本体と、台および台車、の2つに分けて取り扱ってもらうことになりました。規定の大きさと重量以内なら2つまで預け入れは可能でした。



2015年11月13日
(川口君が撮った写真を送ってもらいましたので9枚目に追加しました)

デルタ航空の機内食が予想以上だったゾ〜ウ
俺はエコノミークラスで搭乗したので夕食1回だけだと思っていたが、そうではなかった。夕食1回、おやつ2回、朝食1回で、夕食ではグレープワイン(赤ワイン)も頂き、とても満足した!

さて、11/12成田発17:55デルタ航空便に乗り、現地時間11/12の16時まえにニューヨークJFK空港に到着しました。予定より1時間ほど早く着きましたが、入国審査に大勢の人が並んでいて、審査を通過するのに1時間ほどかかりました。20時頃、マンハッタン・ミッドタウンの宿泊施設にチェックインしました。今晩はゆっくり身体を休めます。

きょうのデルタ航空便搭乗では思いがけない偶然がありました。それは隣の席に私と同じ出身地(長崎県五島列島)の若者(佐世保市在住の川口啓太君)が乗っていたのです。現在、大学4年生の彼は、2週間ほどニューヨークを見て回る予定だそうです。飛行機を降りてから、川口君が私の太鼓荷物の移動を手伝ってくれてとても助かりました。一緒に写真を1枚撮ったのですが、アイフォーンに保存されていなかったので投稿できませんが…。
きょうのハイライト写真も投稿します。





2015年11月14日(その1)
11/13途中経過報告!
今、グリニッジ・ビレッジのジャズクラブハウス「smalls』にいます。今夜の出演バンドの1組目の途中休憩に入りました。数メートルの距離で観る本場ジャズバンドの演奏は思った以上に力強くで、お客さんの入りと熱気もムンムンです!
俺は夕方18時頃、ジャムセッションに参加させてもらったが、初めてのことでもあって、ちょいと違和感ありといったところダナ!
これから、今夜1組目バンド演奏の後半が始まります。
それにしても熱気がすごいもんだ



2015年11月14日(その2)
ジャズクラブハウス「smalls」の11/13ジャムセッションの責任者は日本人女性ドラマーでした。さらにトランペッターの日本人青年もバンド側に付いていて、セッションの要所々々で演奏に加わっていました。この日のジャムセッションの参加者(申込者)は私を含めて5人で、ドラム、ベース、エレキギター、ピアノ、和太鼓での参加でした。

私は3曲の演奏に途中で加わらせていただきました。終了後、トランペッターの日本人青年と話をしたところ、「ジャズと合いそうですね…。明日のジャムセッションは担当バンドが変わるのでまた参加しませんか」と言ってくれました。そのような訳で、14日夕方の「smalls」ジャムセッションに参加する考えです。

ところで、13日出演バンド2組目のリック・ジャーマン・クインテットの演奏は、ニューヨークでも実力派として知られるという評判どおり、さすがの一言でした。
2組目の演奏が終了したのが午前1時過ぎで、この後、私はタクシー(イエローキャブ)でホテルに戻りました。飛び入り参加は無理でした。
昼間は特にジャズが盛んな地区を歩き回りましたが、ニューヨークはまさに"人種のるつぼ"だという印象を抱きました。



2015年11月15日
「Smalls Jazz club 」の11/14アフタヌーン・ジャムセッションに参加して来ました。
きょう演奏された曲のリズムは捉えづらくて、思うように溶け込めない感じでした。
太鼓ソロ(ドラムがベースのリズムを小さい音で鳴らすのに合わせて)の出番が2回ありましたが、2回目は途中で止められてしまいました。
演奏者の中に、太鼓の音自体をあまり好まない様子の人がいたようでもありましたが。
きょうの参加者(申込者)は私を含めて8人で、ボーカル2、サクソフォン3、ピアノ1、ギター1、和太鼓1 といった状況でした。
さて、気持を切り替え、きょうは早めに休んで疲れを取り、明日は新たなお店に行くことにします。






2015年11月16日(その1)
結構うまかったな!
こっちに来てから、食事はベーグルやパン、コーヒーばかりだったが、ようやく日本食にありついた。
ニューヨーク・マンハッタン、ミッドタウンイースト47番通りにある日本食レストラン「かつ濱」黒豚とんかつ定食(税抜18ドル)
ボリューム十分で味も良く満足した。税1.6ドルで計19.6ドル。
この他にチップ(税の2倍が目安)も渡したゾウ!財布の中を心配しながら…。




2015年11月16日(その2)
11/15夜、ブロードウェイ92番と93番通りの間にあるライブハウス「CLeopatra’s Needle」のジャムセッションに参加しました。
このお店は一見すると、食事ができるレストラン風の感じですが、実際に入店してみると、音楽、特にジャズライブ演奏が中心にあるお店でした。10ドル以上の飲食をするならば、誰でも気軽に入店できます。
ここでは思いがけず、シンガーソングライターのクレイグ・ドノマンさん(本業はワシントンDCに勤務する弁護士で、奥さんは日本人)と友達になりました。太鼓がとても好きだと言われていました。
さて、このお店は将来の有名ジャズミュージシャンが育つところでもあるらしく、ジャムセッションが始まると、次から次に腕に自信があると思われる若手ジャズマンたちが演奏を繰り広げ、私は午前1時を過ぎて、ラストの曲でようやく参加させてもらいました。
少しだけスマホビデオで撮影してもらいましたので、この投稿の次に投稿します。正直、ズレてますが…。






2015年11月16日(その3)
 「CLeopatra’s Needle」ジャムセッションの動画2件 (フェイスブックにはアイフォーン撮影動画を投稿しましたが、
 このページではデータ容量を考慮してYouTubeアップロード動画を埋め込みます)
  


2015年11月17日
11/16夜、きょうはジャムセッションをするライブハウスはないようなので、太鼓はホテルに置いたままにして、ミッドタウン・ウエストのライブハウス「Birdland」にライブを観に来ました。もうすぐ演奏が始まります。
私はカウンター席で、ブルックリン・ラガービールを飲みながら、演奏が始まるのを待っているところです。
明日はいよいよニューヨークを発ち、日本へ向かうんダナ!
ところで、「Birdland」に来る前に立ち寄ったカフェのコーヒーうまかったネ!



以下は帰国後に投稿した記事です
2015年11月22日
かなり長文になりそうなので3回(3日)に分けて報告します。
『ニューヨーク・ジャズへの和太鼓でのジョイントの試みを終えて(その1)』

私がニューヨークのジャズに和太鼓で参戦してみようと考えた背景には、今から5年半前の2010年春のある出来事が関係している。
当時、私は三重県津市の中山間地域に住んでいたのだが、ある日、私と同じく他県からの移住者であるという一人の男性が私の家を訪ねて来て、「……あなたの太鼓演奏をユーチューブで見た。○○の曲は良かった…、他にも数曲いいのがあった…、あなたはニューヨークに行ってジャズと一緒にやってみたらいい…。太鼓を一つ持って行ってライブハウスを回ってみたらどうか…」と言ったのである。
唐突におもしろいことを言う人だなと思いながらも、もしかすると、まんざらでもないと私は内心思ったのである。

そのことがきっかけで、ジャズ音楽に和太鼓が違和感なく融け込めて、新しいスタイルの音楽が生まれたらおもしろいだろう…、そうだ、いつかニューヨークへ行ってみよう…、と次第に思うようになったのである。そうは言っても、経済的余裕が全くない生活続きの私にとって、渡航および滞在費用を工面することが難しく、すぐには行動に移せなかったのである。
そのような状況の中、去年の秋、太鼓セットの変更に伴い、岩手県一関市の関根太鼓店で3張の宮太鼓を全面修理して頂き、太鼓の外観はもちろん、何よりも音質が良くなったことを実感した。そして、ニューヨークへ持参するとして無理のない大きさで、ジャズ音楽と合うであろう音質の太鼓として、このたびの1尺1寸宮太鼓を選んだのである。
ところで、ジャズとのジョイントでなぜ宮太鼓なのか?
疑問に思われる人が多いかもしれない。おそらく多くの太鼓打ちは、音が軽やかで歯切れのよい桶胴太鼓、その中でも担ぎ桶胴の方が、ジャズと一緒にやるのなら合うんじゃないかと言うかもしれない。これは私個人の考え、と言うより私の直感であるが、日本の宮太鼓にこそ、世界中のあらゆる音楽とジョイントできる音の海原(うなばら)がある。ただ、その音の海原はどんな宮太鼓にもあるわけでなく、太鼓選びが重要になってくると私は思っている。

いつ、渡米するかを決めるとき、私には直感的に2015年の秋だと思われた。
本当は2週間程度滞在したかったのだが、予算面で無理であった。しかしながら、現在パート勤めをしている会社から有給休暇を頂いて渡米できたことは幸いであった。
(写真1枚目は三重県津市に住んでいた時の家)



2015年11月23日
ニューヨーク・ジャズへの和太鼓でのジョイントの試みを終えて(その2)

ジョイント演奏を試みたのは11/13、14、15 の3日で、3回のジャムセッションに参加し、ソロ演奏(ドラム、あるいはドラムとピアノが控えめに基本リズムを奏でるのに合わせて演奏)の出番が計6回あった。うち1回は途中で止められてしまったのだが。

私は、ジャズ音楽は好きな方で、時々CDやユーチューブなどで聴いたりしていて、ジャズのリズム感覚はそれなりにわかる、捉えることができると思っていた。しかし、ジャズ音楽に合わせて太鼓を打つ練習はやったことはなかった。
実際に本場ジャズのジャムセッションに参加してみて、特にソロ演奏のときに、ドラムが奏でるリズムをうまく把握できずに戸惑う場面が何度かあった。ソロ出番の6回の中で、ストップをかけられた1回は、ドラムのリズムをうまく捉えられない状態で、いかにも和太鼓らしいリズムを前面に出して演奏したときだった。
(このつづきは明日)

【参加したジャムセッションの日時、場所等】
11月13日 PM4:00〜PM7:00
ライブハウス『Smalls Jazz Club』
https://www.smallslive.com/

afternoon Jam Session
担当バンド Ai Murakami Trio

11月14日 PM4:00〜PM7:00
ライブハウス『Smalls Jazz Club』
Afternoon Jam Session
担当バンド Jonathan Thomas Trio

11月15日 PM10:00〜AM1:30
ライブハウス・レストラン・バー
『Cleopatra’s Needle』
Jam Session



2015年11月24日
ニューヨーク・ジャズへの和太鼓でのジョイントの試みを終えて(その3)

『Smalls Jazz Club』はカウンター席を含めて60座席位(両サイドのソファーベンチを入れると70席位か)の小規模なライブハウスだったが、10ドルの料金を払ってジャムセッションだけを観に来る人も50人位いて、そのようなジャズ好きの人達を前にして、私はジャムセッションに参加し演奏させていただいた。(ジャムセッション終了後のプロのバンド演奏には立ち見も出て店内は所狭しの満員状態となっていた。最大で100人位は入るかもしれない)

ニューヨークのジャズライブハウス(クラブやバーを含む)では、お店によっては週に1〜数回、Open Mic(オープン・マイク)と言って、歌や楽器演奏の素人参加型のセッションもあるようだが、それとは違い、ジャムセッションの場合はミュージシャンとしての方向を目指す人が集まって来ているような感じを私は受けた、特に、『Smalls Jazz Club』のAfternoon Jam Session に参加して。

ジャムセッションでは、担当バンドのリーダーが、バンドメンバーやセッション参加者の要望を聞きながら演奏曲を決めていたが、私はジャズのスタンダードナンバーなどの曲はあまり知らないことと、使用する楽器が和太鼓であり、曲のメロディーを奏でる訳ではないことから、曲に合うように太鼓の音を入れリズムを刻むという演奏を行った。ただ、太鼓打面を全体的に使ったり、縁打ちを入れたりして、音程の変化などを意識して演奏した。

11月13日のSmallsでのジャムセッションにおいて、途中からバンド側に付いて要所々々で演奏に加わっていたトランペッターの日本人青年が、私に、「ジャズと合いそうですね。音程を変えれますね。明日のジャムセッションは担当バンドが変わるのでまた参加しませんか」と言ってくれたのは励みになった。そして、セッション参加者のベースの白人少年が「その楽器はとても音がいい。何という楽器なのか?」と尋ねて来たのもうれしく思った。(もちろん英語で。私が良く聞き取れないので、トランペッターの日本人青年が通訳してくれました)
(つづきは明日)

写真は2015年11月13日 初めて入店した時の『Smalls』の店内


2015年11月25日
ニューヨーク・ジャズへの和太鼓でのジョイントの試みを終えて(その4)

『Cleopatra’s Needle』のジャムセッションに参加したのは日曜(11/15)の夜だった。事前にお店のHPやネット情報で、当日はPM3:00からPM8:00までオープン・マイクがあり、それに引き続いてジャムセッションが始まることを調べた上で、時間に余裕を持って入店しておこうと思い、PM7:00頃にお店に伺った。
お店の人に"ジャムセッションに太鼓で参加したい"( I would like to participate in an Jam Session. My musical instrument is a Taiko Drum.)と伝えたところ、快く了解してくれ、ステージ前に案内してくれた。

ここで思いがけない出会いがあった。私がケースから太鼓を取り出していた時、ステージのすぐ前の客席にいた白人男性が"それは太鼓ですか?"と日本語で話しかけてきたのである。聞けば、シンガーソングライター(本業は弁護士で、名前はクレイグ・ドノマンさん)で、奥さんは日本人だという。太鼓の配置準備を済ませた私は、クレイグさんと同じテーブルについた。クレイグさんは、オープン・マイクでギター弾き語りをした。クレイグさんとは友達になり、帰国後も連絡を取り合い、来年の春頃に一緒に演奏しましょうと言っているところである。

さて、PM10:00から始まったジャムセッションは腕に自信があると思われる若手ジャズマン達が次々と演奏を繰り広げ、私はAM1:00を過ぎてラストの曲で、ようやく、"一緒に演奏してもいいですか?"(Can I play together?)と申し出て、快諾をいただいてセッションに加わったのである。
(次回、最終回へつづく)




2015年11月26日
ニューヨーク・ジャズへの和太鼓でのジョイントの試みを終えて(その5)

『Cleopatra’s Needle』で、クレイグさんはPM9:00ごろ帰って行かれ、ジャムセッションはPM10:00から始まった。
AM1:00過ぎのラストの曲でようやくセッションに参加することになった私は、近くにいた人に私の演奏写真(フォト)を撮ってもらえますか?と英語でお願いしてiPhoneを渡した後、演奏を始めた。セッションが終わってiPhoneを受け取るとき、はっきりと意味が分からなかったのだが、その人は、とてもいい演奏だったと私に言ってくれたようだった。(自分勝手な解釈だが…)

ホテルに戻ってからiPhoneの写真アプリを開いて確認したところ、写真の他に動画も2本(うち1本は先日タイムラインに投稿済みの57秒の動画。もう1本は縁打ちだけで合わせている15秒の動画)撮影してくれていたのが分かり、有り難く思った。やはり、動画を観ると自分の演奏の実態がよく分かり勉強になる。

ところで、セッション終了後、担当バンドのベースの男性が、"その楽器は何と言うのか?"(もちろん英語で)と質問して来たので、"これはジャパニーズ・ドラムのタイコと言って、…こんなのや…あんなのや…小さいのや…大きいのや…大きいのはこの位のものもあるんだと両腕を大きく伸ばして円を描いて、身振り手振りを交えて説明したところ、伝わったような様子だった。

(今日の「(その5)」の投稿を最終回にするつもりでしたが、あと数回に分けて投稿が続きそうです。飽きて来たかもしれませんが、あと数日お付き合いくださいませ(笑))



2015年11月27日
ニューヨーク・ジャズへの和太鼓でのジョイントの試みを終えて(その6)

ニューヨーク滞在中、ジャムセッションに3回参加するとともに、3つのプロバンドのライブを観た。
きょうの「(その6)」では、私が観たプロバンドのライブについて紹介したい。

11/13 PM7:30〜PM10:00
『Smalls Jazz Club』
THE LAMY ISTREFI JR. QUARTE
ドラムスの LAMY ISTREFI, JR.が率いるトリオで、LAMY氏のパワフルなドラムが光っていたライブだった。私は2m程の至近距離で真横からLAMY氏のドラム演奏を観て、ジャズドラマーにもこんなパワフルな人がいるのかと感じた。パーカッショニストでもあるLAMY氏は、ライブの中盤でインドの民族打楽器(タブラのようだった)を用いた演奏も行った。ジャズと一口に言っても、世界の民族楽器を取り入れた試みを行う人もいるのだなあと思った。

11/13 PM10:30〜AM1:00
『Smalls Jazz Club』
THE RICK GERMANSON QUINTET
ピアノの RICK GERMANSON が率いる5人編成のグループ。演奏を聴いてみて、かなりの実力あるメンバーから成るグループであろうことが感じられた。実際にニューヨークでも実力派として広く知られているようだ。このクインテットのドラムスは WILLIE JONES III で、自然体で力みがなく、リズムの正確さと緩急、そして何よりもセンスの良さが感じられた。
すぐ近くで観ていた私は、ライブ終了後、WILLE氏に"Mr.Jones!Your drum is wonderfull!"と声を掛け、WILLE氏は"Oh!Thank you!"と答えてくれるとともに、握手してくれ、片手を胸に深く当てて頷いてくれた。ひじょうに謙虚な人であるように感じた。

11/16 PM7:00〜PM9:00
『Birdland』
Steve Ross Orchestra
宿泊していたミッドタウン・イーストから歩いて20分位の場所にあったライブハウス・クラブが『Birdland』で、洗練された演奏を聴かせるだけでなく、華やかさのあるショーが見れて、質の良い飲食も楽しめ、一人でも意外と気楽に入ることができた。店内は広々として、20人位がゆったり座れるカウンター席もある。
Steve氏の歌とトークが印象的なオーケストラで、時々、観客の笑いもわき起こる上質で楽しめるショーという感じだった。私はカウンター席からライブショーを観ながら、ビール小瓶1本と白ワイン2杯を頂いて楽しんだ。
(明日へつづく)




2015年11月28日

ニューヨーク・ジャズへの和太鼓でのジョイントの試みを終えて(その7)

参加した3回のジャムセッションを総合的に振り返ると、"実際に行動してみて初めて分かることがあった"という事実に突き当たる。
ジャズ音楽は好きな方で、時々CDやユーチューブで聴いていて、ジャズのリズムは捉えることができると思っていたのに、「渡米して実際に本場ジャズのジャムセッションに参加してみたら、捉えられないリズムがあって、太鼓ソロ(ドラム、あるいはドラムとピアノなどが基本リズムを控えめに奏でる中で、前面に出て目立つ演奏をする)の出番で思うようにうまく演奏できない時があった」という事実である。

計6回の太鼓ソロの出番の中で、途中ストップを掛けられた1回は、ドラムが刻むリズムをうまく捉えられないままで、いかにも和太鼓らしいリズムを前面に出して演奏したため、バンド演奏の調和をひどく乱してしまったのが原因だと思っている。実はこの時、観客の中の数少ない日本人の一人の女性(米国人とみられる男性と一緒にいた)が、私の太鼓に合わせて身を踊らせてスイングしてきたので、私もその気になって演奏したことにもよるのだが…(笑)

ニューヨークにはジャズ専門学校もあって、将来の有名ジャズプレーヤーを目指して、日夜研鑽している人も多いことだろう。
今回、初めてニューヨーク本場ジャズのジャムセッションに参加してみて、ジャズ音楽にうまく融合する和太鼓演奏の必須条件の第一に、「あらゆるジャンルのジャズ音楽のリズムを把握できるようになっておく」ことがあると思うようになった。私の場合はユーチューブを主体にジャズ音楽をとことん聴きまくって、その条件を満たせるようになりたいと今考えている。
(明日へつづく)



2015年11月29日
ニューヨーク・ジャズへの和太鼓でのジョイントの試みを終えて(その8 最終回)

ニューヨークの中心街を歩き回って感じたことは、この街はまさしく"人種のるつぼ"であるということだった。肌の色や顔の輪郭、身体の大きさなど、実にさまざまな人達が行き交う中では、私は日本人という枠を超えて、この地球上に生きるある一つの人種、人間にすぎないと感じた。まさにニューヨークはありとあらゆる人種の人々が集まることによって発せられる生きるエネルギーに満ちた街だと感じた。

天文学的に膨れ上がったドルの債務によりアメリカの財政破綻が現実味を帯びる現在であるが、ニューヨークの街に生きる一般市民のほとんどは、日々を精一杯生きているのではないかと思う。
滞在中、市営タクシーであるイエローキャブに7回乗ったが、全て運転手は移民系の人で、白人は一人もいなかった。ニューヨークのタクシー運転手の8割は移民系の有色人種らしい。タクシー運転手の職業は危険と隣り合わせでもあることから、好んでなりたがる人は少ないのだろう。
あらゆる人種の人が集まって生きるエネルギーの強さとともに、何よりも私を捉えたのは音楽好き人間が多くいて、毎日さまざまなライブが開催され賑わっていることだった。

ジャムセッションに参加するとき、肌の色や年齢、身体の大きさなど、明らかな違いがあっても、そこには何の恐れもなく、音楽を一緒に演奏できるよろこびがあった。言葉が通じることに越したことはないが、音楽を一緒に演奏するとき、それは大して問題ではない。

また、来年の秋頃までに渡米するかもしれない。そのときは滞在期間を1ヶ月以上にして、ジャムセッション参加とあわせ、オープン・マイクでの太鼓ソロ演奏などもやってみたい。今度渡米するならファイバーケースを発注し、音域がより広く、打った時の音のレスポンスがより良い1尺3寸長胴を持参しようと思う。
(おわり)







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