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 2012年4月15日(日)、私の住む津市美杉町下多気・上村区の山神(土地の神さま)をお祭りする場所で、
初めての花見会が開催され、27人の上村区在住者が集いました。この日は晴天にも恵まれ、開花が始ま
ったばかりのヤマザクラのもとで、松阪牛の焼き肉や、ご婦人方が手作りされたぜんざい、炊き込みご飯
のおにぎりなどをいただきながら、酒を飲みかわし、和やかに語り合う姿が見られました。
 私は、午前11時の開会直後に花見会の始まりを祝う太鼓を打たせていただき、また、午後1時すぎには
山神の祠の前で、天台真盛宗旭照山西向院の石山住職さんの般若心経読経に合わせて太鼓による伴奏
も行いました。

 ところで、この場所はもともとは深い谷で、水害の危険を避けるために今から約40年前に砂防ダムが造ら
れ、その後、年月の経過とともに土砂が堆積していき下の写真の状態となったということです。

 下の左から3番目の写真中央奥に立っているのがヤマザクラで、このヤマザクラは岩をつかむように根を
張り(左から2番目の写真の中央)、もともとは、その岩(磐座)が山神のご神体としてお祭りされていたのだ
そうです。砂防ダムができる以前は、この磐座はかなり高い位置にあり、区の人たちは登って(20mほど)お
参りしていたそうですが、砂防ダムができて10年ほどたった頃、磐座から約10mほど離れた小高い場所に
祠を建ててお祭りすることになり、現在に至っているようです。

 このヤマザクラは、砂防ダムができた後、いつの頃からか磐座に自生した木であると考えられ、自然界の
生命力の不思議さを物語っているようにも思われました。

 もともとご神体であった磐座に自生し立派な木に生長したヤマザクラの開花を愛でながら、区の人たちが
親睦を深めた春の一日でした。