地中海2012年12月号の糸杉集の二人・作品評において、評者である関根さんが、私のことを
「祈りの地に生きる」というタイトルで取り上げてくださった。私という人間の本質的な部分、生来
の魂の傾向を、慈しみをもって心眼で観てくれている感じがし、とてもうれしく思った。
「・・・安定や定住を擲って何者かに導かれるように移動する作者。その辿り着く先が何処かは
知らない。が、常に自然への畏敬や神仏への祈りをもつ作者には、その加護もまた与えられる
ことだろう。太鼓のばちと同様、うたのペンもずっと握り続けて欲しいと思う。・・・」
これから辿り着く先が何処かは私自身も知らない。ただ、これからもライフワークである太鼓と
うたの道を精進していくことに変わりはない。
公務員を辞して4年半余りがたった現在、日本の経済情勢は全体的に見て極めてきびしく、バ
ブル全盛期の頃からするとお金の回りが非常に悪くなっている感は否めない。それは、県や市町
の観光物産宣伝活動において、宣伝隊に太鼓グループを見かけることがほとんどなくなったこと
にも表れている。
このような世の中の情勢のもと、私の場合、経済収入の面で精神的な安心を担保する必要性
を感じており、今後は、太鼓演奏を生業としつつ(方向として、太鼓ソロ、他ジャンル音楽とのジョ
イント活動)、その一方で公務員時代に培った知識と経験を活かして経済収入を補完する方向
へ進むことを考えている。
2012.11.30 太三